AGM-179 JAGMのフルレート生産始まる

米軍はロッキードマーチン製空対地ミサイル(JAGM – Joint Air-to-Ground Missile)のフルレート生産(FRP)を開始する予定です。

US Army Contracting Command-Redstone (ACC-RSA) の通知では、最大3,000発(1,500発 – 2020年度+1,500発 – 2021年度)を、米陸海空軍と顧客向けに取得するとのことです。

JAGMは米軍が開発したトライモードシーカー(セミアクティブレーザー[SAL]、イメージング赤外線[IIR / 2IR])、ミリ波[MMW])を装備した空対地誘導弾で、これまで米軍で使用されてきたHughes BGM-71 TOW、Hellfire(ヘルファイヤ)、Raytheon AGM-65 Maverickなどの誘導弾を更新する目的で開発されました。

トライモードシーカーにより、発射後はセミアクティブレーザーで誘導し、ミリ波レーダーに切り替えることでミサイル単体での誘導が可能で、いわゆる「打ちっ放し」が可能です。これにより、発射機母体となる攻撃ヘリ等が発射後、直ぐに回避行動を取ることが可能で残存性を向上させます。また、移動する目標への命中率がかなり向上すると見られています。
これまでHellfire(ヘルファイヤ)はオペレーターが手動によりレーザーポインターで目標物を照射し続ける必要があり、命中率は35%といわれていました。
また、悪天候や煙などの視界が良好でない状況でもターゲットにエンゲージ可能にさせています。
弾頭はプログラム可能で、コンクリート壕などの目標に貫通し内部で爆発する遅延爆発弾頭としても使用できます。
飛距離はHellfire(ヘルファイヤ)と同様だといわれており、恐らく8,000〜9,000m前後と思われます。(これ以上の射程距離はこのような戦術ミサイルには必要ない為と思われます。)

AGM-179と型番が指定されたこのJAGMは、2018年に初期低レート生産 (LRIP)が承認されていました。

参照先:
Wikipedia: AGM-179 Joint Air-to-Ground Missile (JAGM)
https://www.janes.com/article/87776/us-army-poised-to-begin-jagm-full-rate-production