ボーイング
ボーイングは、今年と来年の回復に全力を注いでいます
実際、全世界の航空当局が運行停止する原因となったエチオピア航空墜落事故の前日である2019年3月9日時点の737生産レベルに戻るのはまだ何年も先の話です
737のレートは2018年に月産52機でした。当時の計画では2019年末までに月産57機、翌年月産63機を目指していました。
現在の生産レート計画を見ると2028年までには月産50機に戻したいと考えているようです(それでも2018年のレートよりも2機ほど少ない)が、そんなにスムーズにいかないかと思いますので、2029年ぐらいまではかかるのではないでしょうか。。
787に関してはどうでしょうか
787の生産率は、過去2年間連続で遅れています。ボーイングは望んでいました
2023年に月産5機を目指していましたが、これは昨年2024年末に延期されました。
2022年11月にボーイングは2025年末までに月産10機を目指していましたが、これは難しいのではないかと思われます。
昨年10月にチャールストン(サウスカロライナ州)787生産ライン拡張のための建築許可と環境許可を申請しましており、拡張が済めば月産12機を目指すことができます。
777/777Xはどうでしょうか
777Xの認証と引き渡しターゲットは現時点で2026年です。当初は2019年でしたので、なかなかのディレーとなります。プログラムのローンチは2013でしたので、引き渡しまで13年、、なかなかじっくり煮込んだシチューとなっております。
クラシック777に関しては、皆さんがAmazonで注文するおかげで、777Fは月産2機で進んでおり、昨年年末で70+の受注残がありましたので、あと3年は2→1機と作り続け、2027年でプログラムは終了予定です。排出ガス規制がありエンジンが適合しないため、2027年に終了となります。その後は777-8Fという777Xの貨物機が引き継ぐことになりますが、スムーズに移行できるかはあまり期待しない方がよろしいかと思います。
767
デビューから40年経過時に月産4機という最高の生産レートを迎えた767ですが、こちらも民間向けの767Fの生産は2027年に終了しますが、これも同じ排出ガス規制の犠牲者です。いい飛行機ですので残念ですね。エンジンを規制適合させる案も以前はありましたが、シンプルにはいかないようで、恐らく終了するでしょう。
767ベースのKC-46A(アメリカ空軍給油タンカー)の生産は継続します。
767Fの後継として787-8ベースのF貨物機モデルもボーイングに余裕が出ればできるかもしれませんが、現状旅客用のレートアップを図るのに精一杯ですので、これも数年先まで書くことはなさそうです。767Fの終了に合わせるのであれば、今年あたりから始めないとギャプなく導入することは難しいでしょう。パリのエアショーあたりか?
新型機・研究開発
今年はボーイング社から新しい飛行機は発表されません。回復がメインの年で発表をできる立場にありません
研究開発予算も削減されており、NASAとのTransonic Truss Brace Wing X-66Aプロジェクトの作業が続けられていますが、何もニュースには出てきませんね。
それいがですと、ボーイング、GE、NASAが風力用のフルサイズの翼にCFM RISEオープンファンエンジンを搭載することに同意しましたので、その辺りの研究は進められています。
MAX 7とMAX 10の認証取得は大きな目標ですが、昨年、この二機種のニュースは何かありました?進んでいるのかよくわかりません。2026年くらいまでかかるのではないでしょうか。
過去数年間、品質関連で悪いニュースばかり出ていましたので、品質管理、安全プロトコル、比較的新しい社員のトレーニングなどが、ボーイングが取り組むべき一番の課題で、それを行いながらレートアップというのはなかなか大変な作業なのでしょうね。
ボクシングの試合、両者とも現在試合に向けて減量調整中、ボーイング側は試合のルールと技術を新人ボクサーに教えながら準備する状況でしょうか エアバスはウォームアップしてリングサイドで待っています。そんな感じかな?両者とも同階級の相手が世界で一人しかいないので 待つしかない。