米空軍とボーイング社 A-10主翼交換に関してIDIQ契約締結

A-10 Thunderbolt II Photo: Pixabay

ボーイング社はこれまでも行なってきたA-10 Thunderbolt II主翼交換に関して米空軍とIDIQ契約を締結し、契約額最大$999million(約1,000億円)となっています。

この契約では最大112機分の主翼セットとスペアキットを米空軍が発注することができ、契約締結と同時に初回は27機分を発注しました。

283機のA-10の内173機については先日の記事の通り2011年に締結した契約のもと新しい主翼に交換が終了しており、今回の契約で残りの機体全てがカバーされます。

主翼交換作業に関してはボーイングが主契約者で、前回同様、一部の在韓駐留中の機体に関して韓国のKAI(韓国航空宇宙産業)が請負、残りの機体に関してはユタ州ヒル空軍基地で実施されます。

A-10 Thunderbolt II攻撃機は1976年に配備が開始され、1984年まで機体は生産されました。

新しい主翼に交換されることで、主翼寿命は10,000飛行時間となり、機体寿命を少なくとも2030年代まで延長できます。

米空軍によると最終機体の主翼交換は2030年8月23日までに完了する計画です。

 

※ IDIQ契約 = 数量未確定契約(Indefinite- Delivery Indefinite-Quantity Contracts)は,連邦調達規則に規定された「調達時期、数量ともに未確定で包括的な契約を締結するもの」です。基本契約の入札案内書では、基本契約と個別発注の最大&最小の数量(総額)が示されます。
選定基準は、基本契約が価格と品質の総合評価、個別発注では最低価格が用いられています。
この契約スタイルは、調達時間の短縮と競争関係を両立し、過去の契約を活用することを目指したものです。

参照リンク:
https://boeing.mediaroom.com/2019-08-21-US-Air-Force-Selects-Boeing-for-A-10-Thunderbolt-II-Re-Winging-Contract

A-10 Thunderbolt II Photo: Pixabay