アメリカ国防安全保障協力局(DSCA)は5月17日の声明で、米国務省が日本へのレイセオンAIM-120C-7新型中距離空対空ミサイル(AMRAAM)の追加バッチ(3億1700万ドル)の対外有償軍事援助(FMS)を承認したと述べています。これにはミサイルと関連機器およびサポート費用が含まれています。
DSCAは声明の中で(今回の売却が)「主要同盟国(日本)の安全保障を改善することにより、アジア太平洋地域における政治的安定と経済発展の原動力となり、米国の外交政策と国家安全保障にも寄与するもの」で、さらに「日本国土防衛と日本に駐留している米国人員を守るための重要な防空能力を提供する。」「この備品と支援の提案された販売は地域の基本的な軍事的バランスを変えるものではない。」と述べています。
日本政府は最大160発のAIM-120C-7ミサイルとAIM-120C-7誘導システム(1set)を追加購入することを希望していました。
これにはミサイル保管コンテナ、武器サポートおよびサポート機器、スペアおよびスペアパーツ、米国政府および請負業者のエンジニアリング、技術および物流サポートサービス、ならびに、その他の関連要素の物流およびプログラムサポートも含まれます。
この売却は承認されたものの、引き続き米国議会の承認を必要とします。
AIM-120 AMRAAM:
AMRAAMとはAdvanced Medium-Range Air-to-Air Missile(発展型中距離空対空ミサイル)の頭文字を取ったもの。詳細はWikiをご覧ください。今回承認を受けた日本向けモデルは末尾にC-7がつくシリーズで射程が105km程といわれています。
米軍に納入されている最新型はAIM-120Dシリーズで、ロケットモーターはC-5シリーズと類似の物を使用しているのですが、ミサイルの航法の改善により、最大射程の延伸が図られており180km程といわれています。同じロケットモーターでの飛翔距離の延伸は、発射後に高高度までミサイルを上昇させ、高高度飛翔により達成されているのではと推測されます。
参照リンク:アメリカ国防安全保障協力局(DSCA)