NMAエンジン候補メーカーの現状まとめ(3)

ボーイングのNMA開発の行方、Boeing737MAXの減産、AIRBUS320neoシリーズの生産レートアップを目指す上でのボトルネックとなっている部分、これらのトピックで関わってくるのが機体用エンジンの不具合です。出回っているニュースを(1)〜(3)にまとめました。

CFM International:
Pratt & Whitney:
Rolls-Royce: (本記事)
まとめ:(本記事)

Rolls-Royce:
航空機ファンなら羽田空港でANAの787のエンジンが取り外されて、空港の端っこに保管されていたのをご覧になられた方もいらっしゃるかと思います。

エアラインがイライラする問題で、未だに頭を悩ませているのがRR社のTrent 1000エンジンです。このエンジンの問題は多すぎ、私の国語能力では纏めれない為、自習お願いします。
EASA(欧州航空安全局)による、航空機の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」によると、エンジン内にある中圧コンプレッサー(IPC)のローターブレードに亀裂が生じることで、飛行中にブレードが飛び散り、機体の操縦性を低下させる可能性があり、再設計を必要とした不具合が起きていたと纏めちゃいますが。ANAはRR社のトレントエンジン最大顧客で多数のエンジンが対象となり、オリンピックまでには改修を完了させると言われていましたので、(この記事を書いている)現在も進行形と思います。

比較的新しい不具合は、Trent 1000 TENシリーズのエンジンで起きており、シンガポール航空が保有する787-10のうち2機を飛行停止としました。シンガポール航空は想定よりも早いブレード劣化が見つかった事による処置としています。
このブレード劣化に関しては、エンジンの高圧タービン部で見つかっており、不具合が見受けられたエンジンはどれも”過酷な環境”で飛行していたとメーカーはコメントしているようですが、、、対策としては、予定よりも早い段階でブレードの交換作業を行う事で当面の解決策としています。

このような不具合の対策に忙しい為か、ボーイングが発表するかもしれないNMAの機体に関して、エンジン選定候補から辞退する事も今年2月に発表済みです。理由としては、NMAがローンチとなった場合、客先引渡し時期のターゲットが2025年となっており、ロールスロイスとしてはこのスケジュールに間に合わせるのは不可能と判断した為です。

また、ロールスロイスがTrentエンジンの後継として開発を進めている「UltraFan」と「Advance」の両エンジンに関しても開発が遅れています。

まとめ:
このように各社対策に追われ、非常に忙しくしている状況です。
上記のメーカーはボーイングがNMAに搭載するエンジンの有力候補とされている(RR社に関しては”いた”)メーカーです。ボーイングがNMAの開発に関して、なかなか決定できない要因の一つにこれらのメーカーの現状も関係してそうです。2027年にNMAの引渡しが伸びるのではないかという噂が出るのも、エンジンメーカーの開発時間を考慮の必要があるからだと思います。

NMAが開発となった場合、燃費などのパフォーマンスを見ると、PWが提案するギヤードファンエンジンが正解なのかなと感じますが、CFMのこれまでのエンジンの採用数や、それに伴う整備体制、ボーイングとの関係からCFMのエンジンが総合力で優っているのかもしれません。

NMAの製造数も、ビジネス的に意義のある機体数にならない場合、どちらかのメーカーがロールスロイスのように辞退という可能性もあります。

NMAの現状に関して、以前書きましたが、エンジン視点で観れる世界もあるのかなと、まとめてみました。

おわり