NMAエンジン候補メーカーの現状まとめ(2)

ボーイングのNMA開発の行方、Boeing737MAXの減産、AIRBUS320neoシリーズの生産レートアップを目指す上でのボトルネックとなっている部分、これらのトピックで関わってくるのが機体用エンジンの不具合です。出回っているニュースを(1)〜(3)にまとめました。

CFM International:
Pratt & Whitney: (本記事)
Rolls-Royce:
まとめ:

Pratt & Whitney:
PW社が製造するPW1000Gエンジンは、A320neoにも選択できるエンジンの一つで、その他にA220、エンブラエルE-Jet E2、Irkut MC-21、MRJなどで採用されています。

PW1000Gは高バイパスギヤードエンジンで、エンジンのファンブレードが低圧側コンプレッサーとタービン側から独立しているのが特徴で、それぞれの部位が最適なスピードで回転することができる仕組みになっており、エンジンの軽量化、高い燃料効率をもたらすエンジンです。メーカーは従来のエンジンと比べて燃費が16%向上、規制値から50%低いNOx排出量、騒音も75%低いと謳っています。

一つ目の不具合は、何機かのA320neoパイロットが、飛行中に高い振動を経験しており、FAAがPWに対して調査を指示したという件でした。

二つ目の不具合は、PW1100Gエンジンを搭載したA320neoシリーズにおいて飛行中にエンジン停止と、離陸途中に離陸取りやめの事案が発生したことから、EASA(欧州航空安全機関)から緊急耐空性改善処置を受け、エアバス社は同エンジンを搭載したA320neoシリーズの引渡しを延期していました。その後、問題を特定し、高圧コンプレッサーのハブに取り付けられている”knife-edge”シールのデザイン変更を行う事で、問題を解決したとして、引渡し延期は解除され、耐空性改善処置に含まれていた飛行制限(洋上ETOPS中止等)は解除されました。

こちらの不具合に関しては、一年以上前の問題で、メーカーも大体解決したとしていますが、新しいコンセプトのエンジンの為、今後、さらなる問題発生が無いとは言えないでしょう。

NMAエンジン候補メーカーの現状まとめ(3)へ続く