何故、米軍は50年前のF-5戦闘機を買うの?(1)

以前の記事で米海軍がスイス空軍の中古F-5戦闘機を購入することについて取り上げました。その理由について書いてみたいのですが、その前に戦闘機の世代について説明しておきます。

現代の戦闘機は、新しいor古いを分けるのに「第何世代」という表現で表しています。英語でも「Generation」と表現します。

ジェット戦闘機のそれぞれの世代を分けると:

「第一世代」- first generation jet fighter

第二次世界大戦終盤の1940年代から開発されたジェット機で、亜音速の戦闘機のこと。

代表的な戦闘機:アメリカのF-86セイバー、ソ連のMiG-15など。

「第二世代」- second generation jet fighter

1950年代に現れた超音速で飛行が可能な戦闘機。

代表的な戦闘機:アメリカのF-100スーパーセイバー(史上初の超音速戦闘機)※私が大好きな飛行機です。ちなみに、アメリカの戦闘機でF-の後の番号が100番台の戦闘機を、センチュリーシリーズとよび、これらの時代を第二世代とさします。区切りは曖昧です。

Century Series 手前から時計回りに: F-104 Starfighter, F-100 Super Sabre, F-102 Delta Dagger, F-101 Voodoo, and F-105 Thunderchief

「第三世代」- third generation jet fighter

1960年代に現れた戦闘機のことです。第二世代と分け方が難しいですが、第二世代までは、戦闘機は戦闘機と戦い、爆撃機は爆撃機で、、、みたい作りだったが、第三世代からは、どちらも遂行できる「マルチロール」戦闘機となったとしちゃえばいいかと思います。

代表的な戦闘機:アメリカのF-5フリーダムファイターやF-4ファントム、ソビエトのMiG-21フィッシュベットなど。

F-5N Tiger II Photo: Tomás Del Coro (Wiki)
MiG-21 Photo:IAF
F-4

「第四世代」- 4th generation jet fighter

1970年代から開発が始まり、1980年代から使用されている戦闘機のこと。今飛んでいて、ステルスじゃない戦闘機でいいです。

代表的な戦闘機:アメリカのF-14、F-15、F-16、F/A-18、ロシアのSu-27、MiG-29など。ちなみに、アメリカのF-の次に十の位で始まる戦闘機を「ティーンシリーズ」と呼びます。

F-14 Tomcat
F-15C
F-16C
F/A-18C
MiG-29
Su-27

「第五世代」- 5th generation jet fighter

1980年代から開発され、2000年になって使用され始めてきた戦闘機。ステルス性能を備えたジェット戦闘機のことでいいかと。あとはレーダーがAESAレーダーのような高度な装置を備えているということも区別できる部分かなと思います。

代表的な戦闘機:アメリカのF-22、F-35、ロシアのSu-57など。

F-35
F-22
J-20

「第4.5世代」- 4.5 generation jet fighter

これは第五世代が登場した後から、使われ始めた言葉で、第五世代までとはいかないけども、ある程度のステルス性や、第五世代で使用されている装備を搭載し、能力を向上させた戦闘機のことを指します。英語では「4.5(4+) Generation」のような表現や、「4th++」とさせる時もあります。

代表的な戦闘機:F-15Eや、最近アメリカ空軍で購入することが発表されたF-15EX、ロシアのSu-30(4+)、イギリスのユーロファイタータイフーンなど。

「第六世代」- 6th generation jet fighter

2025年−2030年代に導入が予想されている、第五世代よりも更に先進的な戦闘機です。レーザー兵器だったり、無人だったり、お好きに想像してください。「今みんなで考え中」それが第六世代です。基本、この「第何世代」というのは後で決めるんじゃないかと思います。デビューする頃には確実にこのブログは。。。

次期国産戦闘機開発のニュースもありますが、デビューが2030年と計画されているので、どのような機体になるのか楽しみですね。

続く

古いVHSの動画です。引用:Youtubeより