米空軍 マティス元国防長官のミッション遂行能力目標を放棄

F-22 Photo: Pixabay

 米空軍は、Lockheed Martin F-22、F-35、F-16のミッション遂行能力目標を放棄したようです。

 2018年9月、元国防長官ジェームズマティスは、米空軍と米海軍に、これらの戦闘機に加え、ボーイングF/A-18のミッション遂行能力に関して2019年9月末までに80%以上に上げるように命令しました。ミッション遂行能力率は、一定期間に少なくとも1つのミッションを実行できる戦闘機の割合です。

米空軍首席補佐官であるチャールズブラウン将軍は、空軍がその準備目標を放棄したと述べました。

国防総省は当初、F-35が80%のミッション能力に到達することについて楽観的な予測を行いましたが、次第に予測を戻しました。 2019年7月、米国国防総省は、F-35とF-22は目標を達成できないと述べ、F-16は2019年9月までに80%のミッション能力を達成するはずでした。結局、米空軍戦闘機のどれも目標を達成できませんでした。

しかし、F-16のミッション遂行能力は2019年6月に75%、F-22は2019年4月に68%、F-35は2019年9月に74%に達しました。 米海軍では2019年9月にF/A-18が80%目標を超えたと報告しました。 2018年4月から2020年2月にかけて、全体としてのミッション遂行能力は16%増加し、ペーシングユニット準備(戦闘司令部の戦争計画の最初の30日間で必要なユニット)においては35%増加しまたようです。

 老朽化した航空機を維持することは非常に困難で費用のかかる仕事ですし、新しい技術的に進歩した戦闘機のシステムはそれはそれで新たな課題をもたらす為、機体の整備を行うことは簡単なことではありません。現在、米空軍は、資材調達の見直し、複数のサプライヤーから入手することで長期的なコスト削減を目指し、修理ネットワーク機能を強化し、条件ベースのメンテナンスに加えてその他の民間商用でのベストプラクティスを活用するStrategic Sustainment Framework(戦略的持続性フレームワーク?)を開発し、運用しています。

F-35とF-22は、複雑なデザインとステルスボディコーティングのために維持するのが難しいことで悪名高く、定期的に手作業で維持する必要があります。特に、1月30日に米国議会に公開された米国防省運用試験評価局長の報告によると、比較的新しいF-35は設計および製造の問題に悩まされており、873の欠陥が生じています。

F-35A Photo: Pixabay

戦闘機の稼働率については二つあります。それは:

・Full Mission Capable

・Mission Capable

です。

上のFull Mission Capableが望ましい状態で、その機体が対応可能な対空攻撃、対地攻撃、偵察など、あらゆる作戦行動を行うことができる整備状態のことです。戦闘機の機体が五体満足の状態です。

下のMission Capableは、その機体で対応可能な任務のうち少なくとも一つは実行可能なものの、全ての作戦行動を行うことができない整備状態のことです。足は動くので、歩いて行ってターゲットを見てくることはできるけど、手が動かないので、そのターゲットに球を投げれない=偵察のみ、、、の状態です。

F-16

参照リンク:
https://www.defensenews.com/air/2020/05/07/the-air-force-bails-on-mattis-era-fighter-jet-readiness-goal/