KONGSBERG社のウェブサイトによりますと、自衛隊による使用のためにJSMミサイルを供給する契約を締結したとのニュースがありました。
契約金額や、数量に関しての発表は、同社と日本政府ともに明らかにしていません。
「国際的な[ロッキードマーチン] F-35ユーザーコンソーシアムはJSMに大きな関心を示しており、KongsbergはF-35部隊のためにJSMを提供するため、日本政府によって選ばれたことを非常に誇りに思います。これはJSMプログラムにとって大きなマイルストーンであり、生産段階に入っています。」 Eirik Lie, President, Kongsberg Defence & Aerospace AS.
KongsbergのJSMは長距離の対空ミサイル、短距離対空ミサイル、CIWS等の近接防御火器システムという、3段階の防御システムを備えた現代の軍艦の攻撃に非常に適しているとのこと。
最初の2つの脅威を回避するために、JSMはIRホーミング、高亜音速性能、レーダーへのステルス性能と海上スキミング飛行プロファイル(海面ギリギリを飛ぶこと)を備えており、相手艦艇のレーダーによる防御システムを掻い潜り、最後のCIWSを回避するためには、相手艦艇に命中する数秒前に不安定な飛行プロファイル(突飛な動き)での機動が可能で、CIWSが目標として捉えることが難しい動きをすることで、3段階の艦艇の防御網を回避できる能力が高いとのことです。命中すれば、JSMに搭載された120kgの弾頭が相手艦艇に十分なダメージを与えるでしょう。
F-35は胴体下部のウェポンベイにJSMを2発内蔵できます。また、川崎重工製造のP-1哨戒機にも搭載可能のようです。
日本は独自の超音速対艦ミサイル「ASM-3」を防衛省防衛装備庁(ATLA=Acquisition Technology and Logistic Agency)が開発し、2019年から量産開始の予定ですが、F-35のウェポンベイに収まるサイズではなく、亜音速+ステルスというJSMと、超音速ミサイルのASM-3は、運用方法が違う性質の対艦ミサイルとなります。対艦兵器も複数の種類を運用できることから、自衛隊はさらにフレキシブルな対艦能力を備えることになりました。
KONGSBERG社ニュース:https://kongsberg.com/en/kog/news/2019/march/kongsberg%20awarded%20jsm%20joint%20strike%20missile%20contract%20with%20japan/