下記の2つの新たなニュースがありました。737Maxの飛行再開が更に延びる可能性があります。先週のニュースですが、メモまで。。
● パイロット間のメッセージやり取りは米連邦航空局に報告されず(2016年)
● ボーイング社MCASについてトレーニング資料から省くことをFAAに求めた(2017年)
● パイロット間のメッセージやり取りは米連邦航空局に報告されず(2016年)
墜落事故が相次いだ米航空機大手ボーイングの新型旅客機「737Max」をめぐり、同社のテストパイロットが2016年に欠陥を認識していた疑いがあるとわかりました。同僚パイロットと当時交わしたテキストメッセージで明らかになりました。
テストパイロットは同僚へのメッセージで、米連邦航空局(FAA)の認証試験中だったMax機の失速防止装置について「シミュレーターの中で作動しまくっている(“running rampant in the sim”)」「実にひどい(“egregious”)」などと指摘。「要するに規制当局を欺いた(意図せずに)(“jedi-mind tricking regulators”)」といった文言もあったようです。
FAAは18日、ボーイングから17日にメッセージの存在について初めて知らされたと明らかにした上で、発見から数カ月にわたり報告を怠った理由を説明するよう同社に求めています。
FAAがアメリカ合衆国運輸省長官イレーン・チャオ氏に送った書簡参照リンク
● ボーイング社MCASについてトレーニング資料から省くことをFAAに求めた(2017年)
米国下院運輸委員会がリリースしたメールの中で、ボーイングの当時の737チーフテクニカルパイロットであったマーク・フォークナー氏がFAAに対して737Maxのパイロット向けのトレーニング資料からMCASに関しての記述を取り除くように求めていたことがわかりました。当初はFlight Standardisation Board (FSB)資料のドラフト版にはMCASに関して記載されていたということです。(この件に関しては現在下院運輸インフラ整備委員会のウェブサイトで詳しい内容を確認できない状態でした。)
Flight Standardisation Board (FSB)資料には737NGから737Maxへの移行の際にパイロットに必要となるトレーニング内容が記載されたものですが、最終的にこの書類からMCASについての機能は取り除かれています。米国下院運輸委員会からのリリースによると、マーク・フォークナー氏がFAAの職員に対して2017年1月17日のメールで:
“We’re starting to work on the reverse differences DT, and I noticed a few things that should be changed… that are in the draft FSB,”
“Delete MCAS,” ”Recall, we decided we weren’t going to cover it in the FCOM or the CBT, since it’s way outside the normal operating envelope.”
と「ドラフト資料の中に変更したほうがよい項目がある事」「MCASを削除する」「通常の運用から大きく外れた分野であり、含めない」リクエストを求めるような文章を書いていたことが分かっています。
DTとはDifference Tableの略と考えられ、FSB(Flight Standardisation Board)資料の中で、NG型とMax型機の相違部分を取り上げた項目と見られます。
FCOMとはFlightcrew Operations Manual、CBTとはComputer-Based Trainingと考えられます。
マーク・フォークナー氏は当時ボーイングの737チーフテクニカルパイロットでした。LinkedInでは現在はサウスウェスト航空のパイロットとなっています。
状況をアップデートするのみで、これ以外にコメントする気がなくなってしまうような、目を疑うようなニュースでした。
参照リンク:
https://transportation.house.gov/committee-activity/boeing-737-max-investigation