以前の記事で、ボーイングがNMAに関しての決定時期を2020年まで延期するという記事を書きましたが、あれから2ヶ月+経ちました。
まだ存在しない飛行機なので、なんとでも書けるのですがね。
改めて、NMAはNew Midsize Airplane の略で、ボーイング次世代中型ジェット旅客機として757(と767)の後継として検討が続けられている機体です。MOM、797とも呼ばれています。
757は日本では使用されていないため、滅多に目にしない機体ですが、2019年3月末時点でも660機以上が運用されている人気の機体です。(参考資料: Wikipedia.org)
旅客機としての運用で使用しているトップ3は全て北米の会社で、American AirlinesとDelta Air LinesとUnited Air Linesです。
ボーイングではこの757の後継機に関して2012年前後から検討を続けてきました。ですので、今年2019年パリ・エアショーでそろそろ発表があるだろうというのが、業界の期待でした。それが、開発の方向性を発表するのが2020年だとの発表を1月末にしたので、業界が「?!!」となりました。
検討開始から発表まで8年もかかると言うのは、ちょっと長すぎますよね?それだけ微妙な飛行機と理解していいと思います。ビジネスとして成立つ飛行機であればここまで長く悩みませんから。ビビッとこないのは付き合わない方がいいのか?
そんな中で流れるニュースは:
● 最近787向けのエンジンでの不具合処理に忙しいロールスロイスがNMAのエンジン候補から辞退すると言うニュースもありました。(FlightGlobal News Feb.28.2019)
● Delta Airlineは非常にNMAに乗り気で、ボーイングに開発をするように「encourage」しており、ローンチカスタマーに関しての話も行われたようです。しかし、今回の737の墜落事故で明らかになってきたFAAによる機体の認証プロセスなどで不備があったことなど、ボーイング側がNMAどころでなくなっているようにも見えます。。
● Unitedは757と767に関して2020年代半ばまでに、一部を737Max10(シリーズの中で一番大きなタイプ)と787-8(シリーズの中で一番小さなタイプ)で置き換える検討をしています。が40〜50機の機体に関して、まだ候補が定まらないようで、そこにNMAがフィットしそうなのですが、上記の状況でAirbusA321XLRと言う、これまたスペックも余り定まっていないエアバスの方に関心を示すような記事も出てきました。(FlightGlobal News April.8.2019)
のようなニュースを目にします。
この微妙な飛行機について、どんな構造の飛行機なのか、計画のGo/NoGoが日本の航空機産業にどのような影響があるのか、次の記事で書きます。
→ボーイング新中型機(NMA)の状況 (2)
→ボーイング新中型機(NMA)の状況 (3)
→ボーイング新中型機(NMA)の状況 (4)
(上に取り上げた記事のリンク)