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ボーイング新中型機(NMA)の状況 (4)

 4月中旬にボーイング新中型機(NMA)の状況 (3)を書いてからしばらく経ちましたので、ボーイング新中型機(NMA)の状況 (4)を書いてみようと思います。

  • NMAのアナウンスはいつ?
  • 日本はNMAにどれだけ絡めるか?

今年のパリエアショー前後でAIRBUSのA321XLRに関して、NMAの対抗機種として検討されていることが話題になりました。それから数ヶ月経ちましたが、特にBoeingからNMAに関して「検討しているが、737Maxが最重要課題である」という以外の発言以外はニュースになっていません。(私が見ているニュースレベルですが…)

そもそもNMAが必要なのか?A321の長胴モデルや737Max-10でも200席ほど配置できるし、代用できるのではないか?というところに戻りますと、やはり中距離路線で2クラス、プレミアムクラスの座席配置や、航続距離の面で完璧な機体ではない為、NMAで導入される機体サイズのニーズは各エアラインから出ているようです。なので、需要はある程度有ります。

ですからボーイングがNMAをローンチすれば、AIRBUSは直ぐにA321XLRをローンチするでしょうし、逆にAIRBUSがA321XLRをローンチすれば、対応する機種を持たないBoeingはNMAをローンチするしかないでしょう。Boeing NMAはローンチされた場合、引渡し(EIS)は2025年と言われていましたが、これだけ発表が多くれているわけですから、これは当然延期されていくと思います。

NMAのアナウンスはいつ?

 もしBoeingがローンチするとしても、これは彼らが「検討しているが、737Maxが最重要課題である」という通り、737Maxの飛行停止が解除されない限りは、発表は無いと見て良いでしょう。まだ飛行停止中の機体が有るのに、新型機を発表するようなことがあれば、問題を抱えた737Maxの機体への信頼を失い、将来的な売上に影響するからです。(十分ダメージはあるだろうが、さらに有るとすればですが、、、)

その代わり、ローンチする場合は、飛行停止が解かれた後、可能な限り早いタイミングで発表がなされるのでは無いでしょうか。恐らくそのタイミングを逸すると、A321XLRのローンチがなされ、多くのNMAを希望するエアラインの注文がA321XLRに流れ込んでいくと思われます。

こうなってくると737Maxのソフトウェアの提出が9月始めに提出され、飛行再開が2019年第四四半期と見られていましたが、これも遅れており、今年の年末〜年始に737Maxの飛行再開がなされるとして、その直後にNMAの方向性がわかるというところでは無いでしょうか?←これは結局、今年1月末のBoeingの発表で「NMAの発表を2020年に延期する」という私のブログニュースの最初の記事の状態と同じとなります。その間に色々とイベントはありましたが。。。

現状は、エアラインとNMAに関してそのニーズを引き続き調整している。ローンチ前のスタディーはボーイング社内と将来的な下請け会社の選定を行いプロジェクトの方向性を調べているというところでしょうか?

日本はNMAにどれだけ絡めるか?

 777Xで日本の下請け分は20%と、旧型の777の時と同じワークシェアでした。現在、ボーイング787と777/777Xが日本の航空産業の主要なアイテムですが、どちらの飛行機も今後生産機数が現状の14ss/m(787)や、777の一時期のピークの8.3ss/m程伸びるの通しは少なく、今後の航空業界の勢いを維持するためにもNMAやその他のプログラムへの参画が期待・必要とされます。

しかし、NMAに関しては「Made in U.S.A.」を推し進める米国の現状や、NMAのコスト目標への日本の実力が問われているようです。NMAに参画できたとしても、米国国内に工場を作り、現地生産する形になったりとあまり国内への好影響は無いプログラムとなるかもしれません。

実際、川崎重工は、2017年5月に当社初となる米国の航空機部品製造拠点として、米国・ネブラスカ州に現地法人Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.リンカーン工場を設置し、777Xおよび777用貨物扉の製造ラインを運用しています。

川崎重工はこの流れで、ロボットや自動化を推進したシステムを提案し、NMAへの参画を可能にする可能性が高いのでは無いでしょうか?

日本国内はロボット運用は始まったとはいえ、まだまだ人海戦術の製造工程が多く、このような製造コンセプトから抜け出せないメーカーもいます。Boeingのプログラムを米国外で製造するメリットを打ち出し、それもNMAの目標コストをサポートできる生産応力をアピールできるかが鍵になると思います。

 先日、エアバスのハンブルク工場でのA321胴体結合の様子がAIRBUSのwebsiteで公開されていましたが、ロボット20台が使用配置されたラインで、レーザー位置測定、孔開け、リベット作業等が自動化されて行われている様子を見ることができます。あの光景を見て焦った人はたくさんおられると思いますが。。。日本には無い光景ですから。。。

皆さん、NMAどうなると思われますか?

参考資料:
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20180918_1.html
https://www.airbus.com/newsroom/press-releases/en/2019/10/airbus-inaugurates-new-a320-structure-assembly-line-in-hamburg.html