Bell社は米陸軍の将来型攻撃偵察機(FARA:Future Attack Reconnaissance Aircraft)プログラム向けの機体Bell 360 Invictus「インビクタス」の新しいビデオを公開しました。
BellのTwitterアカウントに紹介されたこの動画は、新型ヘリコプターが市街戦で使用される様子となっています。
Bell 360 Invictusは185kt以上が可能であるとしています。(陸軍はFARAの巡航速度要求を180kt)
このBell 360 Invictus「インビクタス」は、現在開発中で2015年に初飛行し飛行試験を現在も行なっているBell 525 Relentlessのローターシステム技術を使用するようです。Bell 525 Relentlessは陸上と沖合の油田との間の人員輸送を主な目的としている16人乗りの機体です。
Bell 525 Relentlessと比較すると、2人乗り攻撃偵察機としてBell 360 Invictusは小さな機体サイズとローター径となります。ローターブレードの数も5→4ブレードとなるようです。これは陸軍のFARAへの最大全幅40ft(12m)を満たす必要があるためです。(*市街地など都市型の戦闘での運用時を考慮している為。)
The #Bell360 Invictus is designed to support the #USArmy’s maneuver force in any environment.
— Bell (@BellFlight) February 12, 2020
The Bell 360 builds on Bell’s history of innovation and providing reliable scout aircraft. #ArmyModernization #FVL #FARA pic.twitter.com/V4W6Zd9MnK
アメリカ陸軍訓練教義コマンドは将来の巨大都市での戦闘では様々な障害が待ち受けているとし、これらの対処できる装備が重要視されているようです。
以下は以前の記事を再利用:
この機体の補助動力ユニットにPratt & Whitney(プラット・アンド・ホイットニー) PW207D1ターボシャフトエンジンが使用されるようです。
PW207エンジンは同社のBell 429軽双発ヘリコプターで動力として使用されていますが、Bell 360 Invictusでは、補助動力ユニットとしてヘリコプターメインエンジンをスタートする際や電子機器の作動などの動力源となります。それだけでなく、状況によってはメインローター・シャフトへも動力を伝達できるようです。
これは現在特許出願中の特殊な「クラッチ機構」により、補助ターボシャフトを通じて可能となるようです。
このPW207エンジンは586shp(439kW)の出力が可能で、機体右側に取付けられ、排気も右側から排気口周辺の温度を下げる赤外線サプレッサーを通り排出されます。
2020年3月の米陸軍の将来型攻撃偵察機(FARA)プログラムの最終ファイナリスト2社に選ばれた場合、本プログラムで米軍により選定されているGE Aviation社 T901ターボシャフトエンジンが機体のメインエンジンとして搭載されます。