三菱航空機(愛知県豊山町)は15日、ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)の開発体制を縮小すると発表した。国内外の従業員約2000人を半分以下に削減し、海外の3拠点は米ワシントン州モーゼスレイクの試験拠点に統合する。開発責任者も刷新する。
新型コロナウイルス感染拡大による世界的な航空機需要の落ち込みを受け、三菱重工が2021年3月期のスペースジェット開発費を前期比で半減させることを決断。体制を見直し、運航に必要な型式証明の取得に向けて設計確認や飛行試験データの検証活動に集中する。
人員規模については、これまで積極採用してきた外国人技術者(現状の3分の1の100人規模)を含む従業員を1000人以下に減らす見込み。拠点統合では、ワシントン州レントンの米国本社と、カナダのケベック州モントリオールの設計機能などを持つ事務所の2拠点を閉鎖し、モーゼスレイクの試験飛行拠点を残す。
最高開発責任者(CTO)のアレックス・ベラミー氏は6月末で退任する。米国での飛行試験で中心的な役割を果たしてきたモーゼスレイク・フライトテストセンターの副センター長、川口泰彦氏が7月1日付でチーフ・エンジニア兼技術本部長に就き、今後の開発を主導する。CTOのポストは当面置かない予定だ。