2020年ボーイング737関連ニュース1発目はこれです。
MAXの再認定に向けて作業が進む中、新たな配線の問題が表面化し、機体の商業飛行再開をさらに遅らせる可能性が出てきました。New York Times紙によると2つの致命的な墜落事故を引き起こしたと考えられるMCASソフトウェアの欠陥を超える新たな配線問題が発生したと取り上げています。
飛行再開に向けて機体のシステムチェックを進める中で、ボーイングと航空当局者により737MAXの機体後部をコントロールする配線に配線ミスを発見しました。MCASソフトウェアの機首ピッチダウンの現象に関して解決が進む中、今度は機体後部にある2本の配線バンドル(ワイヤーが幾つにも束ねられたワイヤーの束のこと)が隣り合わせに近づき過ぎた状態で設置されていないかを確認しています。
この配線は機体の水平尾翼をコントロールする為のモーターへ接続されているもので、もし配線にショート等が起きた場合、機体の機首ピッチアップ&ダウンさせる恐れがあります。
問題は、もしそのような配線ショートなどが起きた場合に、パイロットが問題に気づき素早く対応することができるかが問題です。このことについて飛行中に起き得るのか、その場合に対処するために事前にこの2本の配線を離すことができないか、既に製造された機体にどのように対処するかが課題となっています。
これについてボーイングとFAAで話し合いが2019年12月に行われ、ボーイング社の新CEOであるDavid Calhoun氏も配線経路の変更について社内で検討を行ったようです。
更に事態が重大なのは、737MAXだけでなく、6,800機程製造済みの737NGシリーズも含まれる可能性があるということです。
比較的良いニュースは、このバンドルを離す為のクランプを取り付けるのは数時間で可能とのことです。
まだ、最終判断はなされていませんが、ボーイング社ではショートが起きる可能性が無いものとしてこの作業を回避できないか検討中です。クランプを取り付ける作業の際に別の部位にダメージを与えるリスクがある為だそうです。
いろいろ出てきますな。。。
参照記事:
https://www.nytimes.com/2020/01/05/business/boeing-737-max.html