ボーイング787 初飛行から10年

 2019年12月15日で787初飛行から10年となります。2003年にコンセプトが発表され、当初は7E7と呼ばれていました。このプログラムでは多くの日本企業が参画し、機体の35%を製造しています。機体がロールアウトしたのは78日2007年で、お披露目は派手に行いましたが、当日機体を見た人は機体の胴体のつなぎ目は1インチほど隙間があり、空が見えていたなんていう嘘のような本当のような話もあったり、、、 当初は北京オリンピックに合わせて初飛行を目指しているような話もありましたが、遅れにおくれ初飛行は2009年年末になりました。初飛行の天候は雨でした。

製造自体は2007年から行われており、これまで12年間で918機(2019年11月時点)が製造/引渡しされてきました。(これ以外に保管、寄贈、製造試験用などもっと作られています。)現時点で日本から出荷された機体数は1000機を超えています。

新しい技術を採用し、これまでに無い旅客機を作り上げる為の産みの苦しみを長く味わった機体で、ボーイングにとって利益を出るようになるまで、製造開始から10年近く(2016年)かかった機体です。

利益が出るようになったのは、胴体の長い787-9と-10を製造するようになってからです。最初に製造を開始し、引渡しが始まった787-8は設計に問題があり、製造コストは1つ大きい機体である787-9を同じくらいかかります。この為、今でも787-8の製造はギリギリ利益を生み出せているレベルです。

787-9はエアラインにとても人気のある機体で、ボーイングにとっても作りたい機体です。一番胴体の長い787-10は787-9と設計の90%が共通の為、これも製造コストダウンに貢献しており、ボーイングにとって更に高利益の機体となっています。2016年に787-9の製造機数が787-8と逆転し、ボーイングにとってもホッとした年でした。2017年には787-9は110機製造され、787-8はほんの26機の製造でした。現在も787-8は58機ほどバックログがありますが、これらも発注キャンセルもしくは787-9か787-10へと変更される可能性が高いようです。

これ以外にも、ボーイングはサプライヤーへのコストダウンや自社でのコストダウンの取組の効果で、787プログラムのコストダウンを達成してきました。

月産14機で製造を行うこともコストダウンにつながりますが、この生産レートも2020年には月産12機へと引き下げることが発表されています。主な理由として、米中貿易戦争による中国からの注文が過去数年間無いということが挙げられています。

しかし、10年あっという間ですね。。。 

クイズ:787が初飛行した時のボーイング社のチェイス機何だったか覚えてますか?;)