Boeing, Airline, COVID-19… March12th2020

World 2020 Image: Pixabay

Boeing
2月のデータからも分かりますが、改めて2020年は厳しい年となりそうです。1月を受注ゼロでスタートし(対するAIRBUSは274機受注)、2月は大型機は全日空の787発注等あり18機ほど増えていますが、737MAX関連は40機以上のキャンセルが発生しています。(Air Lease Corp.が737Maxの発注分9機を787型機3機へと変更、Oman Airが同じく737Max10機を787型機4機へと変更した。)
機体引渡し数も、昨年最初の2カ月間で95機の引渡しがあったのに対し、今年は2カ月間で30機となっています。ボーイング社は機体引き渡しでキャッシュフローを生み出すわけですので、非常に困難な時期です。

11日に世界保健機関(WHO)がCOVID-19についてパンデミックと見なすことができると述べましたし、トランプ大統領は欧州から米国への入国を30日間全面的に停止すると発表しました。737MAXの飛行再開に向けて動く中、COVID-19と金融危機のワンツーパンチを受けています。(パンチを受けているのは皆一緒ですが、、、)

737MAXの飛行停止から一年が経ちますが、依然として飛行再開時期ははっきりしません。
FAAによる再認可に向けたフライトは来月から開始される予定ですが、これも変更される可能性があります。
現時点で非公式な737MAXの再認可のターゲットは6月15日となっています。

以前の記事でも取り上げた737NGと737MAXの機体の配線の不具合に関して、FAAは準拠しないとみており、配線の改修作業は必須となりそうです。これは飛行再開に向けて更に遅れの原因となりそうです。

 そんな中、ボーイングの株価は3月11日の終値は18.15%↓の$189.08となっており、1ヶ月間で45.6%ダウンとなっています。

エアライン
COVID-19の影響で旅客に当然影響が出る中、この危機を乗り越えることができないエアラインは、当然出てくると思われます。
3月5日には、英国のFlybeは体力が弱っているところに、COVID-19の影響で経営悪化し、前フライトを運行停止しました。
American Airlineも2011年9月11日のテロの影響を受け破綻しましたが、現在の債務状況や旅客からの低評価から回復するまもなく、当時よりも悪い経営状態となっており、経営破綻の可能性が噂されています。
中国との旅客に頼っていたエアラインには破綻する銘柄も出てくるでしょう。中国のエアライン自体は現時点で飛行停止している機体が多数あるものの、国内旅客の需要に将来性がある為、政府やその他の介入があると思いますので、大きな問題は無くても、近隣の国々のエアラインはそのような保証は無いかもしれません。韓国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどエアラインはウォッチリスト入りです。