Airbus Helicopters(エアバス・ヘリコプターズ)H160Mは2017年にフランス国防軍の統合(多軍種)軽ヘリコプター(HILプログラム)に選定されました、2022年に開発着手の予定となっていましたが、5月27日、2021年に前倒しすると発表があり、これにより、フランス国防軍への最初のH160Mの引き渡しは2026年からに早まることになります。
同ヘリの公式名称は仏国防軍により「ゲパール」(チーター)と命名されています。
ベースとなった民間向けH160の型式証明取得は2019年後半を予定しています。H160はX4テクノロジーデモンストレーターから開発されたもので、5ブレードシステムのHelionixアビオニクススイート、コンポジット製機体、およびBlue Edgeアクティブトラッキングメインローターブレードを備えています。推定巡航速度は155ノット、運用高度は20,000フィートで、航続距離は450 nmです。
軍用モデルであるH160Mはモジュラー・ヘリコプターとして設計され、特殊部隊の潜入、防空、火力支援、対艦戦など陸軍、海軍、空軍の必要に応じる仕様となっています。現在フランス陸海空軍で使用されている少なくとも7機種以上のヘリコプターを置き換えることになります。
陸軍用の武装偵察機体には、機首下面EO/IRセンサータレット、胴体左右のスタブウィングに20mm砲とFZ275レーザー誘導ロケットなどを装備し、現在使用しているAS555 FennecsとSA342 Gazellesに置き換わることとなります。ファストロープ用のホイストも装備できます。
空軍用はISR、近接支援、CSARと対ヘリコプター/UAVの任務を担うことになり、スタブウィングの20砲とドアガンで武装されます。空中給油装置も備えC-130JやA400M給油機からの燃料補給が可能となります。現在使用中の機体はFennecsとSA330 Pumasですが、これを置き換える事とになります。
海軍用はAS365 Dauphins、AS565 Panthers、および最近引退したSA314 Alouette IIIの任務を引継ぐ事となります。
海軍のSARと海上監視の役割のために、捜索レーダー、ANL次世代空対地ミサイル、対潜水艦戦(ASW)および対艦戦闘(ASuW)のためのソナーとホーミング魚雷を装備し、エアバスVSR700のようなUAVを運用も視野に入れています。また、折畳式ローターブレードとテールフィン、着艦拘束装置が装備されます。
HILプログラムにおける導入予定機数は陸軍80機、海軍49機、空軍40機となっています。その生産に関してはまだ契約が結ばれていません。
Youtubeリンク:
参照リンク:
https://www.ainonline.com/aviation-news/defense/2019-06-15/french-military-advances-airbus-h160m-program
https://www.ainonline.com/aviation-news/air-transport/2019-06-18/airbus-picks-thales-flytx-suite-h160m