サウジアラビアの石油施設に対する無人機攻撃 無人電子攻撃機も使用

Qasef Drone, used in Saudi attack by Yemeni Armed Forces. Photo: Internet

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの石油施設に対する無人機の攻撃ですが、イエメン政府の発表では、少なくとも3機種の無人機が使用された様です。それらにはQasef (Striker)、1,500-1,700km程飛行可能なSammad-3 (Invincible-3)、そして新たに開発されたジェット推進の無人機です。ジェット無人機は4発の誘導ミサイルを搭載し、発射誘導することができたようです。一部の機体にはサウジアラビアの防空システムを無力化する無人電子攻撃(EW)機が使用されたとイエメン政府は公表しています。また、囮の無人機も使用され、味方の無人機をカバーすることで防空レーダーを欺き攻撃を成功させたといわれています。

イエメン側の主張もどこまでが本当か私はわかりませんが、高高度の目標を重視した防空システムが見事に役に立たなかったことは事実です。この石油施設は複数のShahine短距離対空ミサイルシステムと、少なくともパトリオット地対空ミサイルシステムにより防御されていました。

日本も弾道ミサイルと騒いでいますが、日本近海の貨物船等から発射された複数の無人機での原発や石油貯蔵施設への攻撃などを考えると、もっと局地的な防空システムに関しても目を向ける必要があることを考えさせる事件ではないでしょうか?(→過去関連記事)

攻撃を受けたのはサウジ東部のアブカイク、クライスにある施設2カ所。この攻撃では幸いにも負傷者はいませんでしたが、日量570万バレル分の生産が減少し、世界最大の石油輸出国であるサウジの生産量のおよそ半分で、世界の石油供給の5%以上に相当する量を失いました。

イエメンの親イラン武装組織フーシは、無人機10機によってサウジへの攻撃を実施したと発表しました。しかし、ポンペオ米国務長官は「無人機がイエメンから飛来した証拠はない」と述べ、イランが直接関与した可能性を示唆しています。

Sammad-3 (Invincible-3) unmanned aerial vehicle Photo: Internet

関連記事→「ドローンによるサウジ石油施設攻撃 日本は?

使用された無人機を紹介するビデオ:
https://media.mehrnews.com/d/2019/07/07/0/3173105.mp4 

参照リンク:
https://www.bbc.com/news/world-middle-east-49746645