1つ前の記事で737Maxに関する新たなニュースを取り上げましたが、これは10月18-19日辺りのニュースでした。影響が今後どう出るかはわかりませんが、米国のエアラインの737Max飛行再開に関しても、その時期を先延ばしするというニュースが幾つかありましたのでアップデートしておきます。
● エアラインの動き
● 各国航空当局の動き
● その他737Max情報
● エアラインの動き
3月から飛行停止となっている737Maxですが、今年の夏に飛行再開時期を2020年1月としていたアメリカのサウスウエスト航空が、同社のホームページで飛行再開時期を1月6日から2月8日へと更に延期変更しました。FAAが飛行再開時期に関して公表していない為(そんなことできる状況ではありませんが)、エアライン側は繰り返し延期を行うしかできない状況です。
アメリカン航空もユナイテッド航空も少なくとも2020年1月までは飛行再開がないと見ています。エアカナダも2月14日まで737Maxをスケジュールから外しています。
● 各国航空当局の動き
この飛行再開に関しては、”Return to service”という言葉が海外のサイトで見られますが、FAAが飛行停止処分を解くことも”Return to service”と表現されます。しかし、FAAがそれを表明した後にエアラインが実際に商業飛行を再開させる事ができる時期が本当の”Return to service”なので、この辺りはちょっとラグがあると思います。
飛行再開は恐らくFAAが最初に動く機関となるでしょうが、その後世界中の航空当局が同様に飛行再開へ動き出すと思われますが、その時期に関してはバラバラになりそうです。
飛行停止処分を一番最初に行ったのは中国の航空当局(CAAC)ですが、飛行停止処分を解除するのはFAAの判断に沿ったタイミングでは無い可能性が高いでしょう。中国のエアラインがどう思うかは別として、CAACはもしかすると政治的判断が介入する可能性は大いにあります。これまでのエアバスとボーイングを振り回してきましたし、現在、米中貿易戦争でホットな状態ですので、中国にとっては好都合なアイテムとして捉えているかもしれません。ただ、FAAによる中国製の航空機の認証という弱みも握られていますし、どうなるでしょうか。
ヨーロッパの航空当局(EASA)は今回の飛行停止に当初から独自の厳しい目を向けてきました。米国がEU製品への関税発動など、こちらも穏やかで無い中、いくら中立な航空当局(EASA)ですが、影響が無いとも言えないのでは無いでしょうか。そうなってくるとヨーロッパの航空当局が飛行停止処分を解除するのはFAAのアクションから数週間後となる可能性は十分ありえます。
ニュースを見る限り、最も早くてもFAAが2019年12月、EASAは1月頃との予想です。
● その他737Max情報
737Maxの生産ですが、4月中旬に月産レート42機(42ss/m)に減産移行そのままのペースで製造を行っています。ボーイングは2019年第四四半期に飛行再開できない場合は、更なるレートダウンもしくは生産停止もあるとニュースであった記憶がありますが、現実となる可能性もあります。飛行停止から7ヶ月経ちましたが、これまでに300機の737Maxが生産され、ワシントン州かテキサス州で保管されています。今年も2ヶ月ちょっととなってきました。ボーイングもそろそろ生産レートに関して何らかの発表を行うのではないかと思われます。
参考リンク:
https://www.cnbc.com/2019/10/17/southwest-airlines-removes-boeing-737-max-from-schedule-until-february.html