陸自次期戦闘ヘリコプターAH-X/NAHについて(3)

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日本にどれほど必要?
(ここからも引き続き私見です。)
では、日本という国にとって、どれほど有効な戦闘に特化した戦闘ヘリというものが果たしてどれほど必要なのでしょうか?

何処かの国に攻め入って、広大な平野で対戦車戦闘がある。。。もうそんな戦闘はないでしょう。他国への先制攻撃による防衛いう観点からの整備…そこまで考えて戦闘ヘリを整備しないですよね?そんな作戦に使用しないでしょう。

日本の国土に他国が侵略してきた際に、使用する。。。そんな大規模な状態は恐らくヘリなんて飛ばせる状態ではない。敵に制空権を握られておりヘリなんて飛ばしていたら自殺行為です。

米ソ冷戦時代は日本も北海道に北からの戦車部隊と対峙するという、大東亜戦争末期に体験したシナリオで対戦車ヘリが導入されました。

日本に戦車を揚陸艦に乗せてドンブラコと船で運んで、日本の領土に上陸させた敵戦車を攻撃する、、、結構相手に駒を進めさせています。

やはり、今流行りの島嶼防衛と言われるような、局地的な戦闘が発生した場合にというケースが現実的なのではないでしょうか?対ゲリラ戦闘です。恐らく、それくらいしか活躍できるシナリオはないのではと思います。それも、ゲリラ側に高度な対空兵器(携帯式対空ミサイルなど)が備わっていない状況であれば、かなりのアドバンテージになりますが、そうでない場合は、これまで書いてきたように、非常にリスクのある運用状況となります。

このように、戦闘ヘリというのは必要ではあるようにも見えますが、適正な機数というのは非常に定めることが難しいことがわかります。

ゲリラ戦闘というのは、相手の予測しない場所で、細かい攻撃を数多く発生させることで効果を生むからです。それを予測した数というのは不可能に近いのではないでしょうか?

このように、(日本の国土、専守防衛という観点も含めていいと思いますが、)正規の軍隊と対峙するシナリオでは使用することに非常にリスクのある装備であること、そして対ゲリラ戦闘を予測する観点から数量を定めることが難しいという観点を考えるだけで、AH-Xという計画が綺麗な回答を出しにくいものであることがわかります。

陸自次期戦闘ヘリコプターAH-Xについて(4) を頑張って書きます。。。

全5回 陸自次期戦闘ヘリコプターAH-X/NAHについて(4) に続く

AH-1W Super Cobra Photo: Pixabay