幾つかの問題を抱えているKC-46Aに関してアップデート。
欠陥の1つである、ブームオペレータが給油ブームを操作する際に必要とする遠隔画像システム(Remote Vision System)に関して、(1)一定の角度において太陽光などにより画像がブラックアウト(その逆も)等の不具合を起こすこと、(2)画像取得する3つのカメラの内、外側についているカメラ2台と中央のカメラとの取り付け角度の違いから、3つの合成パノラマ映像に歪みが発生するという欠陥に関しての2つがあります。
(1)に関しては、外部の光量に合わせて、コントラストと解像度を自動調整する機能向上を計画している。(2)に関しては、カメラレンズの改良、コンピューターに新たなアルゴリズムを組み画像処理能力の向上を計画している…というのが前回のアップデートでした。
今回はこの(2)に関して、ブームオペレーターがブームと受油機との実際の距離の感覚がつかみにくいことから、ボーイングは解決策の1つとしてレーザー測距計を取り付けることを検討しているようです。これが上手くいけば、オペレーターにブームの先端の情報を更に与えることができるからです。現在、レーザー機器をどこにどの様に取り付けるか、配線に関しての取り回し等を検討しています。
ボーイングはRVSの画像の歪みに対しての補正に関して、AFRL(空軍研究所)の711th Human Performance Wingの科学者たちの協力も得ている様です。
これ以外に、貨物室床の積荷固定用ロックが勝手に解除される問題で貨物と人員の輸送が禁止となっている問題、給油ブームアクチュエーターの力が強すぎる為、軽い機体が受油する際にダメージを受けることから再設計を必要としています(ボーイングの仕様は空軍が認可したものである為、再設計に関しては空軍が追加費用を支払う形→以前の記事)。
参照サイト:
https://www.flightglobal.com/defence/boeing-looks-at-laser-range-finder-for-kc-46a-refuelling-boom/135692.article