LMT インドでF-16戦闘機主翼製造 2020年から

 

F-16  Photo: Pixabay

 Lockheed Martin社は来年からインド南部のテランガーナ州の州都ハイデラバードにある施設(Tata Advanced Systemsとの合弁会社)からF-16戦闘機用主翼の供給を開始します。将来的には世界中で販売される全てのF-16の主翼がこの工場で製造されることになります。

Lockheed Martin社は、インド空軍に114機の戦闘機を供給するために150億ドル以上と推定される契約に入札しており、F-16生産ラインを米国からインドに移すことを提案していました。 インド空軍にはF-16戦闘機のアップグレードバージョンであるF-21と呼ばれる機体を提案しています。

ナレンドラ・モディ首相が率いるインド政府は、国防産業を含むグローバル企業がインドに製造センターを設立し、国内に産業基盤を構築し、雇用を創出することを望んでおり「Make-In-India」プログラムを推進しています。

現在、インド空軍の次期戦闘機の契約には、Lockheed Martin社のF-21以外に、Boeing社 F/A-18E/F Super Hornet、SAAB社のGripenが競合しています。これらの機体以外に、フランスのDassault SystemesのRafale、Eurofighter Typhoon、ロシア製戦闘機も競合しています。

インド空軍は老朽化した保有するロシア製のMiG戦闘機群を置き換える必要がありますが、インドの防衛調達は非常に長いプロセスを必要としており、一度キャンセルされた経緯もあり、スタートしてから既に10年以上経過しています。これには政府が国産での製造に固執し、高価な輸入品への依存を減らしているため、外国企業が地元のパートナーやサプライヤーを探す必要があり、遅れの原因の1つとなっています。

Lockheed Martin社は既にインド・ハイデラバードの工場でシコルスキーヘリコプターの胴体やC-130J軍用貨物機の機体尾部を製造しており、それぞれの製造ラインで500名の現地雇用を創出しています。

同社は、F-16の現地生産拠点を設立すれば、世界中で飛行するF-16戦闘機の保守、修理、スペアも提供することも可能だと考えているようです。現在、世界中で3,000機のF-16が使用されており、バーレーンなどの国々とさらなる機体の注文が交渉されているため、ロッキードはアフターサポートのために1,650億ドルの市場があると見積もっています。

参照リンク:
https://www.tata.com/business/aerospace-defence
https://www.reuters.com/article/us-lockheed-india/lockheed-to-begin-supplying-f-16-wings-from-indian-plant-in-2020-idUSKBN1WB1W5