11月22日ワシントン州レントン工場で社内向けにローンチされた737MAX10に関して、長胴モデルであることは先週の記事でメモしました。
長胴モデルである為、降着装置(ランディングギア)も更新されていることに関しては、詳しい記事があまり出ていないので追加メモ。
737MAX10はMAX9と比べて胴体を66インチ(=1.6M=5ft3in)延長しています。離陸ローテーションの際に胴体後部が滑走路から適切な距離離れる為に、長い胴体には高い降着装置が必要となります。しかし、降着装置の高さの降着装置を取付けるには、降着装置が収まる胴体下面の主脚格納室(main landing gear well)のサイズ変更等、胴体設計に大規模な設計変更を施す必要があります。それを避ける為、ボーイング社はセミ・レバー式主脚機構(Semi-levered main gear design)を採用しています。これにより離陸滑走ローテーション時に主脚が241mm(9.5in)伸び、必要な滑走路とのクリアランスを確保できる様にしています。「収縮リンク」(shrink link)と呼ばれるスチール製の圧縮機構が、主脚格納時に内側のシリンダーを引っ張ります。
この機構により、主脚格納室に関して737MAXの他のシリーズと同じデザインに留めることが可能となっており、パイロットは737MAX10の降着装置も他の737MAXシリーズの機体の降着装置と同様にハンドリングできることを目指しています。
詳しい動画説明やSNSをリンクします。参考まで。
動画:GeekWireの2018年の動画に、737MAXプログラムのチーフエンジニアの方が、3Dプリンターで製造した1/2スケールの主脚機構を説明している動画がありました。↓
写真:ローンチのセレモニーでクロースアップを撮影しておられた方のTwitter投稿写真(Paul Lewis photo via Twitter)↓
It’s all about the landing gear pic.twitter.com/S4yPwbtbRp
— Paul Lewis (@hitchin1066) November 22, 2019