ボーイング社737MAXの引渡し前の数機の機体で、燃料タンク内から作業者が残した異物を発見し、これによりボーイング社では引渡しを待つ約400機全機の検査を行います。
既に引き渡された機体に関してはまだ公式なコメントは無いようですが、安全性に関わる為ボーイングによる検査もしくはユーザーでの検査が実施されるのでは無いでしょうか。。
FAAにも既に通知済みで、今後何らかのアクションがFAAからも通知されるでしょう。
異物の種類に関しては詳細はわかりませんが、工具やラグ(布切れ)などのようで、どちらも機体の安全性に関わる異物と言えます。工具が燃料他タンク内でぶつかればセンサーや配線類に大きな損傷を与えますし、布は燃料配管の詰まりの原因ともなります。
1機毎に燃料タンクを空にし、作業者が中に入ってチェックを行います。1機あたり2〜3日かかる作業のようです。
ここのところボーイングでは品質検査、特にFOD“Foreign Object Debris”の問題が非常に多く発生しており、米空軍向けのKC-46Aも引渡しが一時停止されたり、サウスカロライナ州チャールストン の787工場でも同様の問題が発覚しています。昨年、ボーイング が最重要項目として取り組んできた改善項目の1つです。
KC-46A給油機でFODの問題が発生した際はエベレット工場は「レベル3」の警戒レベルとなり、製造停止処置ギリギリの状況でした。
サウスカロライナ州チャールストン工場の787組立ラインでのFODも酷いもので、コックピット下の配線が非常に多いエリアで工具の置き忘れや、キャビン床下の電装品格納エリアでチタンのチップ(ファスナー挿入する際にドリル加工した際の削りカス)等がそのままに放置されていたようです。機体後部からは脚立(!)や照明ライトがそのまま放置されていました。
このニュースは特定の機体では無く、品質保証における企業体質の問題で、なかなか難しい問題ですね。エアラインで機体を整備していてびっくりするアイテムが出てくることも今まで普通にあったんでしょうね。。。
参照リンク:
https://www.flightglobal.com/air-transport/boeing-orders-737-max-inspections-after-fuel-tank-fod/136819.article