スポンサーリンク

COVID-19による新機種開発への影響 NMA, etc…

 COVID-19の影響は現在、旅客の消滅による航空会社の危機がニュースとなっていますが、それだけでなく主要航空機メーカーであるボーイング、エアバス、エンブラエルの新機種開発戦略を完全に覆すことになるかもしれません。

Boeing
ボーイングが最も影響を受けるでしょう。
2019年一年間このブログでも飽きるほど取り上げていた737MAX。2019年3月に飛行停止処置が取られて以降、すでに一年以上経っていますが、飛行再開はしていません。今年1月中旬には生産ラインを一時停止するなどの処置が取られました。
COVID-19が大きなニュースになる少し前(1月終わり頃)までは、6月頃にFAAからの再認可を取得し夏頃に飛行再開というのがボーイングの期待でした(業界的には早くても秋頃とみている)が、これも特にそこまで急いで機体が必要としているエアラインはもはや居らず、そんなに急ぐ必要も無くなりましたが。。。

NMA
737MAXの墜落事故とその後の飛行停止でボーイングが後回しにしたプログラムがNMA(New Midmarket Airplane)です。後回しの挙げ句、2019年秋頃から推進派であった役員が次々と辞任し、新CEOがこの計画にとどめを刺しました。

検討されていたNMAはツイン・アイル(双通路)の機体で、座席数が220-270席で、4,500nm-5,000nmの航続距離を持つ機体です。この機体の検討が始まったのはもともと2000年代始めに少しサイズの小さなNLT(New Light Twin)という機体の検討が始まったのが始まりです。当時、NLTは737NGの後継機として検討されていました。しかし、787-8の開発が大きく遅れ(失敗したともいえる)、同時期に開発した747-8の開発スケジュールにも大きな遅れをもたらした為、当時はNLTどころでは無くなってしました。
これに加え、エアバスが2011年7月にアメリカン航空からneoシリーズを含むA320ファミリー大量受注をしたことで、慌てたボーイングは、新機種開発では無く、のちにNGシリーズの更にマイチェンとなるMAXとなる737を再設計するという決断を下しました。これにより新機種開発・NLTは棚上げとなりました。

NLTの話題は、2012年に757の後継機についての話し合いが始まったため、再浮上しました。 NLTが757の後継機という枠を超えて、225名ほど乗ることができ、5,000nm飛行することができる767の後継になることも含めて検討が開始されました。このあたりからMOMやNMAと呼ばれ始めます。
このNMAが昨年737MAXが飛行停止になった後も、そこまで長期間飛行停止とはならないであろうと楽観視されていた2019年夏頃まで検討が続けられ、ボーイングもエアラインからのコミットメントを得ようとしました。エアラインはボーイングにローンチすることを期待していましたが、誰も最終的に手を上げるエアラインはいませんでした。ツイン・アイル(双通路)とシングル・アイル(単通路)機体のFSA(Future Small Airplane)の同時開発などの話題も出ます。
この様な感じでダラダラと時は過ぎ、デイビッドカルホーンが2020年1月にボーイングのCEOに就任した後、全面的な見直しを行う為-Back to Drawingboardとなり-NMAプロジェクトは保留となりました。 これにより、NMA、NLT、そしてFSAの話題が全てフリーズとなります。

EMBRAER
先日提携解消となったボーイングとエンブラエルですが、もしNMAなどの新機種が開発されるとなっていた場合、
エンブラエルのエンジニアが新しい機体のデザインの大部分を担当することになっていました。また、機体の主要コンポーネントも全てエンブラエルが製造する予定でした。まあ、これはもう無くなった話ですが。

NMAの話題では、新機種開発とは別に767のビッグマイナーチェンジである、新エンジン搭載の767REや、同時に新しい主翼を取り付けた767RE-RWなどの可能性も検討されました。

これら全ては現在、2020年1月に新CEOが開発をフリーズしたのと同時に、COVID-19の影響も加わり、完璧に保留となっています。開発チームは解散され、社内で別の仕事を探しているといわれています。ボーイングは資金も枯渇する為、新規開発への余裕はもちろん無いというのも大きな理由です。

AIRBUS
エアバスはどうでしょうか?
エアバスも危機に瀕しています。Rolls-Royceと共同で行っていたハイブリッド電気飛行機(AirbusX)の研究は中止となっています。 ウイルス危機の前は、エアバスは2030年の「脱炭素化」飛行機プロジェクトに焦点を合わせていました。
ボーイングのNMAが発表された場合に関しては、機体のラインナップとして既に対抗できる機体を有しており、この部分に関しては準備ができている状態です。その有力対抗機種であるA321XLRは先日製造が開始されました。

同社のニュースとしては、2020年第一四半期の業績発表がありました。別の記事で取り上げたいと思います。