Kratos XQ-58A 2回目の飛行成功

XQ-58A Valkyrie 2度目の飛行6.11.2019 (U.S. Air Force photo by 2nd Lt. Randolph Abaya)

アメリカのKratos社のXQ-58Aが、2度目のフライトを無事に終えたようです。6月11日に行われ、飛行時間は71分間でした。(Yuma Proving Grounds, Arizona.)
(3月初飛行時の記事)
全5回計画されている飛行試験の2回目となり、詳細は述べられていませんが、飛行特性の確認が行われたようです。

Valkyrieは米空軍のSkyborgプログラムに対して作られた試作機です。
Skyborg – スカイボウグとはその名の通り、空飛ぶAI装置で、オープン人工知能ソフトウェアアーキテクチャとモジュール式ハードウェアを備えた自立型無人航空機戦闘システムです。
モジュラー式のドローンがミッションに合わせて、様々な任務を自立して実行し、戦闘機をサポートすることを目指しています。
現在、米空軍はボーイングとロッキードマーチンに対して、それぞれF-15EXとF-35A Block 4戦闘機にSkyborgとの連動を可能にするデータリンクとプロセッサーを装備できるよう協議しています。順調にいけば来年までにテストを完了させ、2023年には配備することを目標としています。

有人戦闘機とドローンの組み合わせは、これまでとは全く異なった作戦を可能にします。
例えば、通常の4機編隊も1機のF-15EXと3機の無人戦闘機の組み合わせにより、これまでは全ての有人戦闘機をリスクから守る作戦であったのに対して、無人機にリスクを負わせ、有人機を安全に行動させる、これまでにできなかった作戦形態をとることが可能です。
Kratosの無人機システムは、セミオート、フルオートのどちらでも飛行可能で、有人戦闘機のクルー、もしくは地上のコントローラーによる制御で飛行することもでき、無人機が全自動で自立飛行することも可能です。セミオートにも、オペレーターの制御+オートパイロット機能の飛行方法や、ウェイポイントのプログラム通りに飛行する飛行方法などがあり、それらに対応するようです。
日本も、次期戦闘機構想の将来へのビジョンの1つに無人機による戦闘行動と有人機と無人機インテグレーションについて取り組んでおり、防衛装備庁の資料にもそのが説明されています。

このような無人戦闘機は、人間のワークロード低減や、サポートを行うことができます。同時に、人間の良心が躊躇うことや、人間を送り込まない環境へ投入することが可能になります。

参照記事:
https://www.af.mil/News/Article-Display/Article/1877980/afrl-xq-58a-uav-completes-second-successful-flight/ 
https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/plan/vision/future_vision.pdf