もう少し書いてみます。今回生産終了のニュースが流れたA380ですが、総二階建ての4発ジェット機として2007年10月にローンチカスタマーであるシンガポール航空に引き渡されました。筆者の見た印象は、ズングリとした胴体と主翼付け根から内側のエンジンの付け根辺りまでは上むきで、そこからちょっと下がった感じの主翼デザインが、ちょっぴりガルウィングっぽくて、巨大な垂直尾翼でトドメ。カッコいいというよりも、可愛く思えます。基本エアバスの機体は、コックピットの形状がどうしても可愛い印象のデザインに感じるので、それプラスで、このチャビーな体つきは、空飛ぶプーさんとしか。。。プーさんのはちみつ並みに、燃料食いますし。
筆者が覚えているのは、オーストラリアのカンタス航空の機体が、インドネシア上空で爆発事故にあったことです。(詳細はWiki見てください。)これはロールスロイスのエンジンの製造ミスが原因だったそうです。その事件はそれだけなのですが、その爆発で吹き飛んだ破片が主翼を突き抜け、一部破壊されました。(お陰でというのも変ですが)それを受けて主翼内部を調査した際に、事故とは関係無く、主翼自体にもクラック(亀裂)が内部にあることが判明しました。当初エアバスは、微小なクラックなので問題無いとし、重整備(一定期間飛んだ後に受ける車の車検の様なもの)の際に修理すればいいと呑気な回答をし批判を呼びました。結果的にはヨーロッパの航空局が全機の点検を命じたというストーリーがありました。
この事故がきっかけで、ロールスロイスのエンジンに一時使用できるエンジン出力に規制が適用されたため、エンジンをフルパワーで運行できず、例えば、カンタス航空がLAX発シドニー行きのフライトをする場合、滑走路の距離は決まっているので、目一杯滑走して離陸するわけですが、その際に、飛行に必要な燃料(これは減らせない)と運べる乗客の数は80名が限度だった。。。ことを聞いたことがあります。ホントかウソか。間違ってたらごめんなさい。
この時代を先取りしていたのか、時代錯誤だったのか、A380もエミレーツの様な熱烈なファンの航空会社もあまり無く、今回の生産終了となりました。
やはり、機体規模が大きく、受け入れることができる空港が限られるということから、主要空港間のみの運行を強いられるというのは、航空会社のハブ&スポーク方式の運行から、ポイントtoポイント方式への移行にも邪魔をする存在となり、双発機の777やA330には勝てない存在となってしまいました。簡単言えば、今の時代はA380と比べれば比較的小さな機体で、ピストン輸送で色々な空港に乗客を運んだ方が効率的だと考えているわけです。
しかし、空港の発着枠の有効活用や、効率的に多数の旅客を輸送できるという観点からは、もしかしたら生まれる時代を間違えただけだったのかも知れません。。。