LM社CEO Marillyn Hewson氏は5月29日に行われた投資家向けのコンファレンスで、同社のF-35 Lightning II戦闘機に関して、多くの国が導入に関心を示しており、受注数はこれからも増えていくであろうとコメントしています。
現在、購入を検討している国々の機数と受注数は3,200機程となっています。今後この数は更に増える見込みで、製造機数は4,600機程まで増加すると予想されます。
これには、中東諸国がF-35戦闘機取得へ興味を示しており、予測値を大きく増やす根拠となっているようです。現在は採用が許された国はイスラエルのみですが、米国政府が中東諸国にF-15やF-16戦闘機の輸出を許可したように、それらの国に対して、後継機としてF-35の情報開示を行っていくと期待されています。
トルコに関しては、トルコ政府がロシア製のS-400防空ミサイルシステムを導入することで、米国政府がF-35の引渡しの凍結、中止をしていることについて、F-35の製造と引渡しに大きなインパクトはないとコメントしています。
LM社は今後のF-35の増産と需要に対応する為、テキサス州のフォートワース工場にあったF-16の製造ラインをサウスカロライナ州グリーンビル工場に移設し、フォートワース工場はF-35生産にフォーカスした体制に移行させています。
F-35は開発の遅れに続き、生産に関しても納期遅れが続いていましたが、2016年は46機、2017年は66機と徐々に増加し、2018年は91機の機体を製造しており、2019年はこれまでに既に26機を引渡しており年間予想は130機となっています。生産数は今後も増え続け、2023年頃には生産ピークの年産164機程になると予測されています。(F-35の製造ライン自体は年産180機が可能な生産応力を有している。)
グリーンビル工場では現在、バーレン空軍向けの16機の生産が行われており、初号機の完成は2021年とのことです。
この他にスロバキア、ブルガリアなどが新規のF-16取得に興味を示していること、インド向けにF-21としてF-16の改良機を提案していることや、現F-16使用国の機体に対するアップグレードにも力を入れているとコメントしています。
F-16はこれまで4,600機程が製造されましたが、F-35も同様(or超える)規模のセールスを記録する機体となりそうです。
参考リンク:
https://investors.lockheedmartin.com/events/event-details/lockheed-martin-bernsteins-annual-strategic-decisions-conference/
https://www.janes.com/article/80864/f-35-passes-300th-delivery-milestone