Bell社とSikorsky社案採用 FARAプロトタイプ製造

 米陸軍はFVL計画の1つである将来型攻撃偵察機(FARA:Future Attack Reconnaissance Aircraft)に関して、2020年3月に2社を選出し試作機の製造フェーズへと進むにあたり、Bell社案とSikorsky案を採用することを決定しました。

今後2社は、詳細デザインを完成させ、製造と飛行試験を行うフェーズへ進みます。その後、最終選定を行い2023年秋にはコンテスト勝者が決定する予定です。

Sikorsky introduced RAIDER X as its entry to the U.S. Army’s Future Attack Reconnaissance Aircraft (FARA) prototype competition. RAIDER X draws on Lockheed Martin’s broad expertise in developing innovative systems using the latest digital design and manufacturing techniques. Image courtesy, Sikorsky a Lockheed Martin company.

選ばれた2社のコンセプトは、残り三社の提案より具体的に飛行試験等での技術が実現している点で優位に動いたのかもしれません。

シコルスキーのRAIDER X™デザインは長年の開発、テスト、改良で培われた実証機X2のテクノロジーとS-97 Raider の技術を応用した機体で、既に実験機での飛行試験が行われており、「Advancing Blade Concept Rotor」を採用した二重反転式ローターと機体後部の推進用プッシャープロップを備えたコンパウンドヘリコプターです。機体デザインは低視認技術の点で力を入れていることがわかる機体となっています。

Bell社に関しては、Bell 360 「Invictusは他の候補メーカーのコンセプトと比べるとコンベンショナルなメインローターとテールローターを備えた通常ヘリコプターデザインとなっています。このBell 360 Invictusは、現在開発中で2015年に初飛行し飛行試験を現在も行なっているBell 525 Relentlessのローターシステム技術を採用します。Bell 525 Relentlessは試験飛行で200kt(371km/h)を記録しており、Bell 360 Invictusは185kt以上が可能であるとしています。

Bell 360 Invictus Image: Bell Flight

米陸軍は2017年に退役したBell OH-58D Kiowa Warriorsの後継機種を必要としており、FARA機体はその後継となります。将来の戦闘が大都市を中心とした市街戦での対処も想定されており、機体のメイン・ローターの最大直径を40ft(12.2m)に制限することで、建物に囲まれたエリアでの運用が可能な機体サイズが求められています。速度に関しても巡航速度180kt (333km/h)を要求しています。

今回のフェーズで選考落ちした他の3社は、AVX Aircraft(wi L3Harris)、Boeing、Karem Aircraftとなります。