ボーイングがオーストラリアのエアショーで”Loyal Wingman”のコンセプトモックアップを発表したばかりでしたが、アメリカのKratos社のXQ-58Aが初飛行に成功しました。この機体はアメリカ空軍のAFRL(Air Force Research Laboratory)が30ヶ月前に発注したプログラムの為に制作された機体です。
製造途中で一度ニュースにはなりましたが、久しぶりのニュースが初飛行成功のニュースで驚きました。
もともと訓練用のターゲットドローンを開発していた経験があるメーカーです。
今回の初飛行は、計画されている全5回のテストの内の1回目で、76分間のフライトでした。フライト終了後はパラシュートでリカバリーされたようです。
この機体は単価を$2-3Millionのレンジで製造できる機体を考えており、将来的に戦闘機に追随して飛ぶ”忠実なウィングマン”となることを目標としています。
ボーイングが発表した機体との違いは、ボーイングがF-16と同等レベルの機体規模で、ランディングギアを装備しており、滑走路からの運用を考えているのに比べ、このKratosは滑走路からの運用を考えておらず、エアランチ(ランチャーからの発射)し、コントロール可能なパラシュートによって回収するという計画のようです。
また、ボーイングのコンセプトに比べて、機体内に搭載できる武器の搭載能力も50%以上大きいとのことです。600ポンドを内装できるとのことですから、Small Diameter Bombsであれば250ポンドですから2発搭載できます。
今回の契約でドローンに求められている能力は、“地を這うような”地形追随or低空飛行、高高度巡行、防御的対空機動、攻撃的対空機動、SEAD任務です。
1月に、KratosはFlorida Turbine社を吸収しました。Florida Turbine社は低コストのタービンエンジンを製造するメーカーで、XQ-58Aの製造においても意義のある吸収合併だったと言えます。
別のニュースで、米空軍がF-15X、第四世代のF-15戦闘機を再調達し、F-35では高くつきすぎるミッションへの投入や、F-35と共同で作戦遂行する計画を発表しましたが、空軍内部では反対意見もあり、政府主導の今回の発表に不満を抱えているというニュースもあります。第四世代と第五世代との共同運用か、第五世代とこの”忠実なウィングマン”との作戦、どちらがコストダウンを達成できるのでしょう。なんにしろ色々とオプションが選べる米軍も羨ましいですね。。