外出を避け、自宅で小動物を飼いはじめましたら見事にお世話にハマり、書くネタもあまり無いのでアウェイになっておりました。
国土交通省の「国土交通月例経済」2020年4月号によると、3月の国際線旅客数の速報値は45万2000人(前年同月比72.9%減)、国内線は416万3000人(53.9%減)で、2カ月連続で前年を下回っています。
旅客業界が先ず打撃を受けていますが、航空機製造業も厳しい状況です。
エアバス社は10,000人の人員削減を計画していますし、生産レートも更に減産する可能性が高いです。
ボーイングのCEOは旅客業界の回復は当初の2〜3年ではなく3〜5年ほどかかるという見方を示しました。生産レートの回復はそれから更に2〜3年後と見ています。
2023〜2025とその後2027〜2028年…その頃には別の危機が発生しそうですが。。。
Spirit AeroSystems社はボーイングの生産計画の影響を受け、1700人をレイオフします。
エンブラエル社の最大顧客であるAzul Airlineが今年から開始する予定だったE195-E2の引渡しを2024年に延期しました。
デルタ航空は14000人のパイロットの半数がこの秋に余剰となるとみています。
苦しんでいたQatar航空は50機の機体を退役させ、エアバスとボーイングからの機体引渡しを延期する予定です。タイ国際航空は事実上の経営破綻し、今後は中央破産裁判所の管理下で再建を進めます(運航は通常通り継続)。
主要な航空会社が経営破綻する中、これまでであれば危機的事件の後はLCCが勢力拡大しましたが、今回のCOVID-19で旅客がどう動くのか見えません。LCCが生き残っても小型のシングルアイルが機数を増やし、ワイドボディーの機体需要が伸び悩む可能性が高いのでは無いでしょうか?日本の下請けはワイドボディー中心の為、更に厳しい状況に突入しそうですね。
エアバスのCEOがエアバスは危機的状況にあると言っていましたが、どうでしょうか?ボーイングは民間機で苦しんでも防衛向けのプログラムを非常に多く持っています。比べてエアバスでの防衛関連は少なく、この部分が民需に頼っているエアバスの弱点です。しかし、機体のラインナップはエアバスの方が有利です。737MAXはまだ飛行停止中ですし、777Xプログラムも初飛行〜飛行試験が始まったばかりでのCOVID-19で受注も伸び悩んでいます。エアバスは737-8にA320neo、737-7にはA319neoで立ち向かえますし、A321neoで残りの737-9と737-10のマーケットを攫っていけます。A330に関してはボーイング787シリーズが有利、A350は777Xに十分対抗できています。全て機体が必要になった時の話ですが、、、。
参照資料:
https://www.mlit.go.jp/report/press/joho03_hh_000133.html