(最終更新日:2019年8月9日→最新の記事へ)
米空軍は、3月23日、航空機内の異物残留(FOD)を発見した為、ボーイングKC-46Aペガサスタンカーの受け入れを再度停止しているとのことです。これで約1ヶ月の間に2回目の受け入れ停止となります。(*本ブログ5月更新時点で受領は再開しています。)
1回目の受け入れ停止は2月20日に発生し、その際は、作業工具等の残留物が機体の内部で発見されたものでした。ボーイングが是正措置計画に合意した後、3月11日にタンカーの受け入れを再開したところでした。1回目のFODを受けて、通常点検しないコンファインドの部分の点検をしている際に見つかったようです。
ボーイングKC-46Aペガサスタンカーは再三の納入延期を経て、1年半遅れで漸く1月10日に空軍への納入が行われたばかりでした。
空軍へは固定価格での受注ですので、納期遅れや幾つかのペンディングの問題に対してはボーイングが負担するものとなっています。(プログラムが開始してから$3.6 billionの損失。)
現時点での2019年の納入予定は月3機を計画しているとのことです。
—2019年5月23日更新—
5月中旬に3機の受領を空軍から受けており、6月末時点で計18機の引渡し完了となる予定。現時点で、9種類の航空機への空中給油認定を受けており、更に3機種への認定を近く受ける予定(ロッキードマーチン EC-130、ベル・ボーイングMV-22、ロッキードC-5)。最近では、5月7日にロッキードマーチンF-35Aへの認定を受けたばかりです。ステルスコーティング塗装を施した機体への空中給油は、燃料輸送ブームの先端で受油口付近のコーティングに傷をつけることを避ける為、空中給油作業は非常にリスクの高い作業となります。この認定に4ヶ月程かかったとのことです。
5月7日には初任務もこなしており、トラビス空軍基地から飛び立ったKC-10空中給油機と共に、アラスカのエルメンドルフ空軍基地へ演習に向かっていたF-16戦闘機4機に対して、計13,600kg(30,000lb)の燃料を給油しました。
—2019年6月5日更新—
こちらはEC-130H Compass Callに対して給油試験を行っている様子をボーイングが配信しています。
—2019年7月9日更新—
FODは引続き機体から出てきているようです。6月時点でボーイングの納入機数は11機ですが、ボーイングは今年36機の引渡しのターゲットは変えていないようです。FOD対策として機体の隅々を検査し、もしFODが見つかったら最初から検査をやり直す方法を取っているようで、かなりの時間がかかっているようです。ボーイングの品質基準は高いのですが、それでも組立工程の最後にFODが見つかるようです。
—更新終わり—
しかし、工具(やゴミ?)などが残されていたのは驚きです。筆者はシアトルのボーイングの工場見学ツアーに参加しKC-46Aペガサスタンカーの生産ラインも見ましたが、ゴミひとつなく綺麗な工場だった記憶があります。まさか機体の中にゴミ捨ててたから綺麗だったの?!
#こんまり の需要、アメリカには沢山有りそうですね。。。
参考資料:
Flightglobal
https://www.flightglobal.com/news/articles/paris-usaf-still-finding-fod-in-boeing-kc-46-and-ex-459031/