777X関連ニュース(2019年11月21日)

開発中の777Xに関してアップデート

  • GE9Xエンジン
  • エミレーツ航空@ドバイエアショー

先日777X向けのGE9Xエンジンがシアトルに再納入され、テスト機体(WH001)へ取付けられている件をメモりました。これによりボーイングは今年12月〜来年明けの初飛行を目指しています。

GE9Xの不具合&改良内容ですが、原因は高圧圧縮機の第2段可変ベーン(ブレード)の耐久性(想定以上に磨耗した)の問題が見つかり急遽改良が必要となりました。

GE製の他のエンジン設計と同様に、第2段可変ベーンジオメトリは、回転部分の機構が他のステージと異なる為、第2段可変ベーンに関連するベーン以外のコンポーネント修正が必要となったようです。それらにはベーン、ベーンを覆うシュラウド、シュラウド内側にあるシールボックス、コンプレッサーケースが含まれます。

ベーンに関しては、チタンからインコネル(ニッケルクロムベースの超合金)へと材料変更し、エンジン流路の形状も変更が加えられたようです。この変更でケースと内側にあるトラニオンを突き抜けるベーンステムに影響が出た為、シュラウドとシュラウド周りのシールの変更を余儀なくされたようです。ベーン自体の空力特性には変更はなかったようです。

このエンジン改良作業により、FAA認証試験も中止されていましたが、現在は再開され、最終段階のテストの一部である、エンジンが受ける最も厳しいテストをおこなっているようです。これはエンジンを最大ファン速度、最大コア速度、最大排気ガス温度で動作させるテストでエンジンの信頼性と耐久性を検証することを目的に、実際の運行では使用しないはるかに極端な条件をシミュレートしたものです。また、別のエンジンでは耐久試験を行っています。

年末に向けて、もう1つのエンジンでETOPS認証に向けた試験を行い、一連の認証テストを終了できる見通しで、実際に客先へ引渡されるエンジンの組立準備も進んでいるようです。

今回のエンジン改良で、エンジン重量は僅か20ポンド増加しただけとのことです。

その他のニュースでは、ドバイエアショーにてエミレーツ航空が787-9を30機発注すると同時に、これまで150機としていた777Xに関して126機へ変更します。エミレーツは2014年7月に777Xを150機確定発注。内訳は777-9が115機、777-8が35機だでした。発注数が減少後も、777Xの顧客としては世界最大で、現行の777も155機を運航中で世界最多規模です。

GE9X Engine Cutaway Image: GE Aviation