Spirit AeroSystems社は767機首部分を初組立し公開しました。
これまでも同社は767機体の機首部分に関して、構成する、コクピット部分(キャビン)、機首下面、サイドパネル(左右)を製造してきました。それを鉄道でボーイングのエベレット工場まで輸送し、組立とすぐ後ろに続く胴体部分(Sec 41)との結合はボーイング社が行ってきましたので、Spirit社では初の組立となり、今後ウィチタ工場にて組立が行われていきます。”integrated 767 forward fuselage”と呼ばれています。
Spirit社は787型機に関しても、同様に機首部分を製造しています。
Spirit社は昨年から新たな組立ラインを構築し、生産工程を自動化し、組立時間の削減と品質向上を目指したラインを導入しています。今年の10月から稼働しています。
ボーイング社は現在月産2.5機で767を製造していますが、2020年から月産3機を目標にしており、今回のSpirit社の組立ライン導入もその目標達成に向けて大きく貢献します。
組立てられた機首部分は、これまでのように鉄道で運ぶことはできない為、今後は787の機首をエベレット工場に輸送するのと同様に、747Dreamlifter(ドリームリフター)を使用して、エベレットまで輸送します。この組立てられた最初の機首は、12月4日に輸送される予定です。
1979年7月6日より767の製造が開始され、今年で製造40年を迎えました。(初飛行は1981年9月26日、運用開始はUnited航空により1982年9月8日)
2019年10月末時点で、1,168機が引渡し済みです。平均月産2.5-2.6機となります。現在、ボーイング社のバックログは102機で、来年月産3機開始した場合でも、今後3年間はそのレートを維持できる受注残となり、随分と遅咲きの名機となります。
これらの102機は、UPSやFedEx向けの貨物機タイプと、米空軍向けの貨物・給油機の製造となっています。
767に関しては、本ブログでも書きましたが、エンジンをGE Aviation社のGEnxエンジンに換装し、767-XFという”マイナーチェンジ”した機体で貨物機、そしてNMAの代わりの機体できるかの調査も行ったというニュースもありました。
製造開始から40年。
767は40過ぎてピークが訪れ、今後もピークが続きます。給油機としても長く飛び続けるでしょう。
孔子曰く、「四十にして惑わず。」です。四十歳になって、道理も明らかになり(=悟りが開け)自分の生き方に迷いがなくなったということです。人も767も天命使命の道が始まります。
Spirit revealed the first integrated forward fuselage section for the @Boeing 767. Check this out! pic.twitter.com/lBnduOuUdT
— Spirit AeroSystems (@SpiritAero) December 3, 2019
参考リンク:
https://www.spiritaero.com/release/137052/spirit-aerosystems-delivers-first-integrated-767-forward-fuselage