Boeing 737NG「Pickle forks」クラック(Updated 11.14.2019)

Boeing 737-800 Photo: Pixabay

 ボーイング社737NGシリーズの機体で「Pickle forks」と呼ばれる胴体と主翼接合部に使用されるジョイント部位でクラックが見つかった件に関してアップデートします。

FAAは11月13日Boeing 737NGの機体クラックに関して追加のAirworthiness Directives (ADs、耐空性改善通報) を出しました。クラックが見つかった場所は「Pickle forks」と呼ばれる胴体と主翼接合部に使用されるジョイント部位で、飛行中に同部位を曲げようとするストレス、トルク、空力に耐えている部位となります。この部分に関しては前回のADで検査指示を出していますが、その際に対象となっていた部位以外でもクラックが見つかったことから、エリアを拡大して検査するようにというものです。

この中で737NG機種で30,000フライトサイクルの機体について60日以内に検査を行うこと、当初機体左右のPickle forkにある2つのファスナーを検査対象エリアとしていましたが、8つのファスナーに関して検査拡大することを指示しています。

また、22,600フライトサイクルの機体に関しては、今後1,000フライトサイクルの間に検査を実施することも併せて指示されています。

クラックが発見された機体は、Pickle forkを交換する必要がありますが、交換するのは簡単なことでは無く、機体のサイドパネルやそのフィクスチャー等のインテリアを取外す必要があり、機体を地上に留め置く時間プラス、多くのコストがかかります。

今回のPickle forkのクラックは、中国で旅客タイプから貨物機への改修作業中の737-800にクラックが見つかったことで、10月頭にFAAがADを発行しています。

現在、このクラックの影響で飛行停止、改修作業を必要としている機体を運用しているエアラインはカンタス航空、ライアンエア、サウスウエスト航空、インドネシアのエアラインが含まれます。

FAAサイトリンク:
http://rgl.faa.gov/Regulatory_and_Guidance_Library/rgad.nsf/0/0ca7c9aa6c58dbcd862584b1005485cf/$FILE/2019-22-10.pdf